コンビニの1日の食品ロスはどのくらい?各コンビニのSDGsへの取り組み

1日の食品ロスの量、年間は? 

コンビニエンスストアでは、1年間に約20~30万トンの食品が廃棄されています。  

一般的に、食品ロスというと食品関連事業が55%と、大半を占めています。 

その一方、家庭での食品ロスとしても出ています。 

食品ロス単体で、食材別にみると最も多いのは野菜、次いで調理加工品、果実類、魚介類です。 家庭での人当たりの食品量を試算すれば、一年間で約15キログラムにおよび、60回の食事分に相当します。 

外食など「食品に関わる全ての事業者」において食品ロスが発生しています。 発生の内訳は、家庭が約45%、食品関連事業者が約55%です。

農林水産省の発表によると、国内の平成30年度時点で食品廃棄量は約600万トンです。  

これは、日本全体の食品廃棄量の中で、コンビニエンスストアが占める割合は 約3~5%に相当します。 

また、このような食品廃棄物が増えると、廃棄食品を運ぶ、燃やす、あるいはリサイクルする場合でも、費用がかかります。発生する費用は、商品の価格に上乗せされ、そして私たち消費者が負担することとなります。 

食べ物を食べられない人も、世界にたくさんいます。世界の飢餓人口は最大8億1100万人と推計されています。 

一方で、人口約1.2億人(2020年時点)である日本の食品ロス発生量は、世界第3位です。 

余った食べ物は、加工業者や流通業者、飲食店、家庭などからごみとして出されます。 これらは処理工場に運ばれ、可燃ごみとして処分されますが、水分を含む食品は、運搬や焼却の際に二酸化炭素(CO2)を排出します。 

CO2は地球温暖化を引き起こす原因といわれており、それによって、気候変動や海面上昇を引き起こすといわれ、環境問題が深刻化し、懸念されている。 

食品ロスがなかなか減らせない理由 

消費段階で発生する食品ロス抑制のむずかしさ 

これら食品が廃棄物となる原因は、食べ残し、過剰除去、直接廃棄といわれてきました。 この部分に、企業が行っているようなサプライチェーンの考え方を導入するのは更に難しいと言われています。なぜなら、企業は利益を最優先に考えているため、 必要なときに必要な量を確保するためにというより、不足させないための食品を確保し、収益性を保っています。つまり、このような企業が環境問題に直接的に配慮するのは、難しいといわれてきました。 

コンビニエンスストアにおける食品ロス発生の背景には、とくにコンビニならではの理由があります。 

消費者のニーズに合わせて仕入れた結果、必要以上に食品を発注してしまったり、売れ行きが悪かったりなどの原因により賞味期限・消費期限が過ぎてしまいます。また、このほかにも大きく2つの原因が考えられます。 

「3分の1ルール」の存在 

食品には、「3分の1(さんぶんのいち)ルール」と呼ばれる特有のルールが存在します。缶詰やお菓子、飲み物といった食品には「おいしく食べられる目安の期間」として賞味期限が設定されていますが、賞味期限が残り3分の1となる前に、卸業者が小売店に納品しなければならない、というものです。 

卸売業者、小売店、消費者で賞味期間を3分割する考え方が、名前の由来となっています。 

納品前に賞味期間のうち3分の1を超えてしまった食品は、まだ充分に食べられる状態でありながら廃棄されることになります。 

大量陳列 

コンビニエンスストアは消費者にとって、緊急性と必要性が高いもの、あるいは何となく立ち寄って目についたものを買う場所です。 

コンビニも民間の利益を優先にした一企業です。 

商品を買ってもらうには、まずその商品にお客に気付いてもらう必要がある。大量に陳列し、商品のカタマリを店内につくることで視認性を高め、販売促進効果を狙える。といったマーケティングに利用されています。 

また、コンビニエンスストアは消費者が欲しいと思うものがいつでもある状態を保つ必要があります。 

そのため、欠品のないよう大量に発注し、大量陳列を行います。このサイクルが余剰在庫を生み出し、食品ロスの原因となるのです。 

ここまでは、食品ロスがコンビニで発生する原因について解説しました。 

食品ロスの削減目標、解決策 

コンビニ、またその他の業界でも、こうした食品廃棄の問題は未だ解決できていません。 

しかし、このままでは増え続けると、国としても問題として認識しました。 

そうした背景から、何とか解決しようと国も乗り出し、「食品ロスの削減の推進に関する法律」(以下、食品ロス削減推進法)が、2019年10月から施行されました。 

それにより、食品ロス削減を通じてSDGsに取り組もうという機運が高まっています。 

従来は、「食品ロス」「フードロス」は主に家庭や飲食店における問題だと捉えられてきました。しかし、近年では小売業者の慣例である「3分の1ルール」や賞味期限切れで処分される企業の防災備蓄品についても、食品ロス削減の観点から厳しい目が向けられつつあります。  

ここからは、コンビニ3社の具体的な対策を解説していきます。 

コンビニ3社共通で行われている対策 

大手コンビニエンスストア3社は、慣例的に行われてきた「3分の1ルール」を見直し、現在は納品期限の緩和を行っています。農林水産省も「3分の1ルール」の見直しを呼びかけ、2020年10月時点では、計142の小売事業者が納品期限の緩和を行っているまたは行う予定です。 

恵方巻やクリスマスケーキなどの季節商品は予約販売を強化して、店頭の陳列数を減らしています。また、プライベートブランドと呼ばれる自社製品の販売を開始。賞味期間の長い、ロングライフ商品の開発製造を行っています。 

さらにフードドライブの活動も行い、周辺地域で発生する食品ロス削減にも努めています。フードドライブとは、各家庭で食べきれない未開封の食品を回収し、フードバンク団体や地域の福祉施設などに寄付する活動です。 

コンビニエンスストアが回収拠点となることで、消費者にとって食品の寄付が身近なものとなり、捨てずに寄付するという選択ができるようになりました。 

セブンイレブン 

セブンイレブンでは、自社の食品ロス削減への取り組みとして、「エシカルプロジェクト」を開始しました。 

「エシカルプロジェクト」とは、販売期限が近いことを知らせるステッカー付き商品を購入することで、「nanaco(ナナコ)ポイント」が付与されます。 

「nanacoポイント」はセブン&アイ・ホールディングスが運営する電子マネーとして、1ポイント=1円で次回買い物で利用可能です。店舗は食品ロスを減らすことが出来て、消費者はお得に買い物が出来るため、両者にとってメリットのある取り組みとなっています。 

ファミリーマート 

ファミリーマートでは、冬期にレジ横で温めているおでんの販売方法を見直しました。 

従来は大きなおでん鍋で、常に温めた状態で販売する方法でした。しかしこの方法では保温状態が続き、見た目も味も質が低下し、結果廃棄せざる負えません。ここでロスに繋がります。 

そこで、大きなおでん鍋での保温販売をなくし、注文を受けてから個別にレンジで温める方式へ変更しました。これにより、ムダなロスがなくなっただけでなく、電力の節約も実現することができました。 

ローソン 

ローソンは2015年から「セミオート発注」を導入し、いち早く食品ロス削減に取り組んでいます。 

現在では、3Rと呼ばれる、「発生抑制(リデュース)」と「再利用(リユース)」、「再生利用(リサイクル)」の一環として取り組まれています。 

「セミオート発注」とは、AIが店舗ごとに過去の売上や客層、天気予報などの情報を分析し、適切な発注商品、発注数を割り出し、提示します。 このシステムによって、無駄な大量陳列を行わなくて済み、買い物に来るターゲット層にだけ商品を置き、届くようになることで、適正な発注が行われ、食品ロス削減に繋がっています。 

また、ローソンでは、廃棄物の削減やリサイクルを促進する上での基礎データにするため、店舗の廃棄物の実態調査を継続して行っています。 

その結果、2021年度の食品を除く廃棄物は1店舗1日当たり31.3㎏(東京都内約400店舗の実績)。同じく売れ残り食品は5.2kg、食用油(廃油)は2.4kg、合計7.6kgを排出しました(食品リサイクル実施店舗の実績から全店舗平均を算出)。 

この記事を書いた人

cd2@provej.jp